日本は北は北海道から南は沖縄まで、様々な方言が存在しており、それぞれの地方でユニークな早口言葉が楽しまれています。
その地域の土地の言葉を使った早口言葉は、その地方の文化や特徴を色濃く反映しており、聞いているだけでその地方の空気感が感じられるかもしれません。
何か面白い早口言葉はないかな?これまで使ったことのない早口言葉はないかな?と、面白いネタ探しをしている方にはぴったりですよ!
方言が入っているので学びにもなるし、面白いし、日本の自分が知らない地方のことを知れるし、良いことづくめです♪
今回は、特に印象的な地方の早口言葉を厳選し、ご紹介します!
参考にしてみてくださいね!
北海道、東北地方
まずは日本の一番北に位置する、北海道、東北地方の早口言葉をご紹介します。
北海道地方
北海道の早口言葉は、広い大地を想像させてくれるような文章です。
- 花盛りの陽気、素晴らしきかな(花繁ゆる陽は凄いしんぺーしんぺー)
- カブもカボチャも収穫したよ(カブとかぼちゃかぶとかぼちゃ)
- 馬を駆る騎手の掛け声、特に意味はなし(とんとことんとんとん、どっこいしょ!)
- 北海道で、ほんわか、ほんわか→「北海道で、とても温かく、和やかな雰囲気」という意味(ほっかいどうでほんぬでほっかりほっかり)
函館弁の少し長い早口言葉もご紹介しますね!
意味:「何かを言えば言ったで、いろいろと非難されるし、何も言わなければ言わないで噂されるし、どっちにしても非難されるのなら、何も言わずに非難されるより、思ったことを口にして批難されたほうがいい。」
早口言葉:「 しゃんべれば しゃんべったで しゃんべられるし しゃんべねーば しゃんべねー しゃんべられるし どーせしゃんべられんだら しゃんべねーで しゃんべられるよか しゃんべって しゃんべられだほーがいい 」
函館の方からすると普通の文章かもしれませんが、違う土地の出身からすると、「しゃんべ しゃんべ」といった言葉が続いてわけが分からなくなりそうですね!
東北地方
東北地方の方言は、その響きだけで心が温まるかもしれません。また、津軽弁のように、同じ日本人でも理解するのが難しい言葉もあり、早口言葉も独特ですね!
- あなたのものは、私のもの。私のものも、私のもの(なのものわのもの、わのものわのもの)
- 虹色になるなよ、泣くなよ→何かにつけてすぐに泣く人をからかう時に使います。「七色」は虹の色の数から、転じて「涙で顔がぐちゃぐちゃになる様」を指しています。(なないろになるな、ななつんな)
- おっとっとがたくさんのところに、たくさんのおっとっと(おっとっとたったとこで、たったとこにおっとっと)
秋田弁
秋田弁は、言葉のリズム感が特徴的です。文章の意味も独特で面白いですね。
- 言えば言うほど悪口言われる(しゃべればしゃべったってしゃべられるし)
- 言わなくてもやっぱり悪口言われる(しゃべねばしゃべねってしゃべられるし)
- 言ったほうが結局は良い(しゃべたってしゃべられたほうがいいって)
- 言わないよりは言ったほうがマシ(しゃべねってしゃべられるよりしゃべったってしゃべっておいでげ)
意味としては「(何か言いたいことがあるなら)言いたいことを言った方が良いんだよ。言わないで言われるよりも、(たとえ悪く言われたとしても)自分で言った方が良いんだよ。」という意味になります。
この表現には、東北地方の人々の、言いたいことははっきりと言う、という気質が表れているように感じられます。
関西・中部地方
次に日本の真ん中に位置する関西地方や中部地方です。この地域の方言は、ユニークな響きで早口言葉を作るのに最適です。
ここでは、名古屋や和歌山、さらには関西弁を使った早口言葉をいくつかご紹介します。
名古屋の早口言葉
中部地方の名古屋は、独特な早口言葉が楽しめる地域です。
- キットカットを買わなきゃいけなかったのに(きっとかっとかっとかんといかんかったのに)
- キットカットを買うのを忘れたから(きっとかっとかうのわすれたから)
- また買いに行かなければいけないから(またかいにいかんといかんから)
- 名古屋の鍋には名古屋特有の鏡が映る(なごやのなべになごやななめになべがなべなべなべ)
一番下の文章はことば遊びのようなもので、意味は特にないそうです!
和歌山の早口言葉
和歌山県の方言は、「ざじずぜぞ」の発音が特徴的で、早口言葉に使うと一層面白くなります。
濁点がたくさん入るので、話すのも面白く難しいですね。
- ザラザラしたものは全然掃除しない(だらだらだからでんでんどうじせづ)
- 全部ぞうきんで掃除ができない(でんぶどうきんででんでんどうじせづ)
- ザックリとざらざらを取り除く(だっくりだらだらをのどいてあげよう)
関西弁の早口言葉
関西弁には「~ちゃう」を使った面白い早口言葉が存在します。関西人にとっては割と簡単に話せる早口言葉ですが、ほかの地域の方には難しいかもしれませんね。
早口言葉1:
- チャウチャウではないよ(ちゃうちゃうちゃうよ)
- 本当にチャウチャウじゃないの?(ほんまにちゃうちゃうちゃうん)
- チャウチャウだって!(ちゃうちゃうやって!)
早口言葉2:
- 新しい皿、さらしでさらさら巻いてって言ったよね、サラ(さらのさら、さらしでさらさら巻けて言うたよな、サラ)
- 割れたさらの皿を今更さらしで巻くって何をしてるの、サラ(割れたさらのさら、今さら、さらしで巻くて何さらしとんねん、サラ)
これらの早口言葉は、話しているうちに言葉が短く切れやすくなることがあります。関西弁の早口言葉に挑戦するときは、発音に特に気をつけてみてください。
どの地方の方言もそれぞれの地域の風土や文化が感じられ、言葉遊びとしても楽しめます。
中国・四国
日本の中国・四国地方は独自の文化と方言を持ち、これらの方言を用いた早口言葉は特に面白いです。
それでは、地域ごとのユニークな早口言葉をいくつか見ていきましょう。
岡山県の早口言葉
岡山県特有の方言を用いた早口言葉は、聞き慣れない濁音が特徴です。また、伸ばす音が多いのも特徴ですね。
- 台所で何してたの?(なんででーどころにでーてた)
- 大きな大根を煮ておいて(でえれえでーこんてーてって)
- 言ってって言ったのに(ゆーてててゆーててたのに)
広島県の早口言葉
広島の方言は、聞くだけで心が和む響きを持っています。
- やるならやるよ(がんすならがんす)
- あなたがあなたあなたと言うから、あなたって言うのよ(あんたが、あんたあんた言うけぇ、あんた言うんよ)
- あなたがあんたあんた言わなければ、私もあんたあんたって言わないよ(あんたが、あんたあんた言わんにゃーわたしも、あんたあんたいわんのよー)
高知県の早口言葉
高知県の方言を使った早口言葉は、比較的意味がわかりやすいですが、息継ぎが難しいです。
- あなたは私にあんたあんたって言わないで(あんたあたしにあんたあんたゆわんとって)
- あなたも私のことを(あんたもあたしのこと)
- あんたあんたって言うじゃないか(あんたあんたゆうやんか)
九州・沖縄
続いて日本の最南端、九州、沖縄地方の早口言葉をみていきましょう。
九州地方の早口言葉
九州地方の方言は、特に「たちつてと」という語尾が特徴的です。何回言ったか分からなくなりそうですね(笑)
早口言葉1:
- 弟におっとっとを取ってあるよ(おとうとにおっとっとととっとーば)
- 取っておいてと言っておいたのに(とっとってっていっとってって)
- なぜ取っておいてくれなかったの?(いっとったとになんでいっとってくれんかったと)
早口言葉2:
- キットカットを買っておかないといけなかったのに(キットカットかっとかんといかんかったとに)
- あなたが買わなかったから、駄目だったんだよ。(あんたがかっとかんかったけんいかんかったとよ)
早口言葉3:
- ぷっちょを取っておいてと言ったのに(ぷっちょとっちょってっちいっちょったとに)
- なぜ取っておいてくれなかったのかと、言ってるんだ。(なんでとっちょらんやったとっちいっちょると)
大分県の早口言葉
大分県からは、「ちょ」を使った特徴的な早口言葉を選びました。響きが可愛らしいのが特徴です。
- ぷっちょを買っておいて(ぷっちょかちょってっち)
- 言っておいたのに(いっちょったんに)
- なぜ買ってくれなかったの?(なんでかっちょってくれちょらんのって)
- 言ってたんだよ(ゆっちょんの)
- またぷっちょを買っておいて(またぷっちょかっちょってって)
- 言っておいて(いっちょって)
鹿児島の早口言葉
鹿児島方言はおおらかで可愛らしいイントネーションが特徴です。
- あなたが私に「あなた」と言うよ(わいがおいにわいちゃったで)
- 私もあなたに「あなた」と言うよ(おいもわいにわいちゃうとよ)
- あなたが私に「あなた」と言わなければ(じゃでんわいがおいに、わいっちいわんければ)
- 私もあなたに「あなた」と言わない(おいもわいにわいっちいわんたっじょ)
- 鹿児島、鹿子島、鹿のご飯島(かごしまかこしまかごんごしま)
- 鹿のご飯、まんまんまんまんま(かごんまんまんまんまんま)
佐賀の早口言葉
佐賀弁には独特のリズムがあります。
- 何と言っても何も(特別な理由はないんだけど)、どういうわけでもないがそうなってしまった(なんちゅうてもなんともなんちゅうわけでわんなんちゃったわ)
- うわっ!すごい!鍋(もしくは壁)がめっちゃ熱い!長くいられない!(すでばい、ながりょない、なべがいしんばい、かべがいしんばい)
- このイカ、硬いけん、(値段とかを)書いてください(かまやのかかかたかいかけんかいてって)
- お母さんがカンカン(怒って)小石を投げて叩くから(かかかんかんこっかくしうったたくけん)
沖縄の早口言葉
沖縄方言は、言葉の意味がわからなければ全く何を言っているのかわかりませんが、響きが面白い早口言葉です。
意味がわかると、割と話しやすいですよ。
- あなたは私のことおまえおまえって言うけど(やーわーのことやーやーいうけど)
- 私はあなたのことをおまえおまえって言わないから(わーもやーのことやーやーいわんから)
- あなたも私のことをおまえおまえ言うな(やーもわーのことやーやーいうなやー)
地方別早口言葉の楽しみ方
これらの早口言葉を通じて、方言の響きやリズムを楽しむことができます。また、地方ごとの言葉の違いを体感することで、日本の多様な言語文化に触れることができます。
子供と一緒に、遊びに交えて挑戦してみると、子供たちに日本国内の多様性を伝えることができ、学びにもつながります。
それにしても、改めてそれぞれの地方の早口言葉をみてみると、「私はあなたにお前お前って言わないからあなたもお前お前って言わないで」といった意味のものが多いですね!
地方独特の文章から日本全国で言われているような言葉まで、見比べてみると面白いものです。
方言早口言葉に挑戦
方言を使った早口言葉に挑戦することは、言葉の発音練習にもなり、楽しみながら方言の特徴を学ぶことができます。
友人や家族と一緒に挑戦してみると、より楽しい時間を過ごせるでしょう。
日本各地に住む方とのコミュニケーションでも、盛り上がること間違いなしですね!
まとめ
日本全国の方言を使った早口言葉は、その地域の言語の面白さを感じさせてくれるだけでなく、コミュニケーションの一環としても楽しめます。
その地方の人々の生活や感覚が垣間見える楽しい言葉の遊びです。イントネーションを真似できれば、その地方に住む人々の感覚が少しだけ体感できるかもしれませんね!
自分が住む場所の人とはもちろん、違う地域に住む人とのコミュニケーションでも盛り上がること間違い無いでしょう。
次はあなたの地元の方言で早口言葉を作ってみてはいかがでしょうか。それぞれの地方の色が感じられる早口言葉を通じて、新たな発見があるかもしれません。
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