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へぎそばとはどんなそば?
へぎそばは新潟県魚沼地方に発祥を持つ郷土料理です。独特な食感と風味は、つなぎに布海苔を使っているためです。
布海苔をつなぎに使うようになった理由は、新潟でかつて盛んに行われていた着物製造に端を発します。
長野県のように小麦栽培が盛んではなかった新潟県では、独自の代替品として、織物の糸を紡ぐために使用されていた布海苔(ふのり)をつなぎに使用しました。
これが、へぎそば特有の製法の起源とされています。
名前の由来
「へぎ」の名前は、もともと木を剥ぎ取る「剥ぎ」が転じたものです。
この名前は、そばを盛り付ける際に使用される木製の板(方木)が由来であり、この板は養蚕業でも使用されることがありました。
へぎそばとは、この板に盛り付けられた蕎麦を指し、その特別な盛り付け方法が「手操り」と呼ばれる技法です。
へぎそばの特徴
へぎそばはその製法により、通常のそばとは異なった食感を持ちます。
布海苔の使用により、通常のそばよりもしっとりとしていて、喉越しが滑らかです。
また、へぎそばは冷たくして一口サイズに丸めて盛り付けられることが多く、見た目の美しさも特徴の一つです。
このように、へぎそばはその製法や盛り付けから、独特の風味と食感を持つ郷土料理として認識されています。
普通のそばとの違いを正しく理解し、その特徴を楽しむことが、へぎそばをより深く味わう鍵となるでしょう。
へぎそばと一般的なそばの違い
一般的なそばは、そば粉と小麦粉を混合して使用することが多く、全国製麺協共同組合連合では、そば粉を30%以上、小麦粉を70%以下の割合で使用することが基準とされています。
一方で、へぎそばは全く異なるアプローチを採用しています。
へぎそばの製法では、小麦粉を使わず、ふのりという海藻をつなぎとして使用します。ふのりは着物産業で糊付けにも使われるなど、新潟県の伝統的な素材です。
これがへぎそばに独特の食感を与え、麺をしっかりと結びつける役割を果たしています。
味と食感の違い
へぎそばは一般的なそばと比較して、シコシコとしたコシがあり、磯の風味が感じられるのが特徴です。
また、ふのりの使用により麺がやや緑がかった色をしており、ツルツルとした喉ごしも楽しむことができます。
へぎそばは美味しい?まずい?
へぎそばは、その独特の存在感でそば好きの中でも評価が分かれることがあります。
新潟県以外では馴染みが薄いこともあり、その特徴的な食感や風味が好まれない場合もあるようです。
一方で、表面のツルッとした食感や喉ごしの良さを評価する声も多く、つゆの甘さや薬味にカラシを使うなどの独自のアプローチが取られることもあります。
結局のところ、へぎそばが美味しいかどうかは個人の好みに大きく左右されます。普通のそばとは一線を画するその独特な食感と風味は、試してみる価値があるかもしれません。
へぎそばを体験しよう
へぎそばを初めて試す方々は、可能であれば新潟県でその味を直接体験することを特にお勧めします。
関東地方にもへぎそばを提供する店舗がありますし、通販で手軽に注文して自宅でも楽しめますが、やはりその発祥の地である新潟県で食べるへぎそばは格別です。
通販だとこのようなへぎそばがありますよ!近くにへぎそばが食べられるお店のない方におすすめです。
新潟県でのへぎそば
新潟県では特に中越地方の小千谷市や十日町市に、へぎそばの有名店が集中しています。
例えば、百年以上の歴史を持つ『わたや』や、新潟県内に複数の店舗を構える『小島屋総本店』などが有名です。
また、『小島屋総本店』から独立した『越後長岡小島屋』も、東京の立川高島屋S.C店で本場のへぎそばを提供しており、東京でも新潟の味を楽しむことが可能です。
通販では、「わたや」や「小島屋総本店」の乾麺もありますよ。
へぎそばの作り方
へぎそばの製法は独特で、乾燥ふのりを銅鍋で弱火にかけ、緑色に変わるまで約1時間煮込みます。
その後、そば粉とふのりを8:2の割合で混ぜ、しっかりと力を入れて練り上げます。生地ができたら適度な厚さに伸ばし、均一に切り分けて盛り付けます。
この工程により、へぎそばは一般的なそばとは異なる独特の食感と風味を持ちます。
まとめ
へぎそばは、新潟の郷土料理としてその独特の製法と歴史を持ちます。通常のそばと比較しても喉越しや磯の風味が際立ち、その違いが好みを分けることもあります。
新潟県を訪れた際には、ぜひ本場のへぎそばを試してその魅力を体験してみてください。
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